昨日の投稿で、
『今後、不動産業者を通すか、運用会社が出てくれば個人で民泊サービスを始めることは可能ですが、外注費がかさむと、事業として成立させるのは(方法が無いわけではありませんが)かなり難しい。』 と、書きました。
このあたりを検証したいと思います。
個人で『民泊』始めるのは難しいですが、不可能ではありません。全てが未開拓のため事業として成立させるには時間がかかるということです。
ホテルや旅館は、すでに全国に存在し経営ノウハウを持った人達が多く存在しています。建物構造、立地条件、社員教育(サービスマナー)、関連する外部委託業者、旅行会社などの販売ルート、旅館業者向けの損害保険など、他にも沢山ありますが、つまり運営方法や経営方針はある程度確立されており、そこに独自のサービスや歴史が加わり、『日本のおもてなし』が存在します。
しかし、素人が、1居室から又はアパート1棟から民泊サービスを始めるとすると、多くが未開拓のため時間も手間もかかります。
具体的に(上記の内容で)云うなら、
建物構造 ➡ 新築物件以外の場合、現在の建築基準法に適合しているのか? 自動火災報知器の設置工事、台所のコンロはガスで大丈夫(?)火災の心配。
立地条件 ➡ 駅から離れている(徒歩10分以上)なら、送迎はどうする? 外国人が地図を片手に、スーツケースを転がして宿までたどり着けますか?
社員教育 ➡ ホテルや旅館で手厚いおもてなし(接客)を受けたことがあると思いますが、スタッフは入社したらすぐに接客マナーを学びます。私もホテルに入社した時は、数か月にもおよぶ新入社員研修が有りました。多くの人が途中でリタイア(退職)していきました。つまり、接客には向き不向きもあるということです。ホテルレベルの接客マナーを求めないにしても、最低限のマナー(訓練)や知識は必要です。
関連する外部業者 ➡ 小規模のロットで受けてくれる清掃業者、リネンの業者、廃棄物処理の業者を探さなければなりません。それも近隣で業者を探さないと、いざという時に時間がかかってしまい対応が遅れます。
販売ルート ➡ 独自のHPで集客を狙う方法もありますが、コンスタントに効率よく予約を入れるなら、まずは旅行業者との提携やインターネット仲介業者を検討するのが良いと思います。その上でリピート客が増えれば独自HPでの集客もあり得ます。質の良いリピート客を囲い込むにはそれなりの戦略が必要です。
損害保険 ➡ ホテルや旅館の場合、「火災などでお客様を死傷させた」「従業員が飲食物をこぼしお客様の衣類を汚した」「提供した食事が原因で食中毒を起こした」「宿泊客が室内のテレビを誤って破損させた」等々。これらに対応する損害保険が存在していますが、民泊の場合は、賃貸借契約であり、このような保険は使えません。今後、対応する施設賠償責任保険や滞在者賠償責任保険が無いと安心営業はできません。
一例にすぎませんが、個人で民泊営業を始めるにはノウハウが必要なのが分かって頂けると思います。リピート客ができれば独自ルートでの集客も可能ですが、初めは外部委託業者に頼る部分も出てきます。しかし外部業者を入れすぎると利益が出なく、事業として成り立たなくなります。
方法が無いわけではありませんので、本気で民泊やりたい! 話しを聞きたいという方は、是非ご連絡お待ちしております!
当事務所では、開業サポート、運営サポートなども行っていく予定です。